2013年11月19日火曜日

Steelseries Rivalが届いたのでIE3.0やDeathAdder等と比較レビューする

Steelseries Kanaが発売された昨年1月から数えて、Steelseriesとしてはほぼ2年ぶりの全くの新形状マウス(Sensei[Raw]やKana v2は新形状ではなかったので)、しかも形状はどうもIE3.0やDeathAdderなどを参考にしているっぽい!
しかもSteelseriesがスポンサーとなっているプロチームのプレイヤーが、どうも次々とRivalに乗り換えている(マーケティング目的もあるかとは思うけど)っぽい!

…となれば発売即入手したくなり、公式サイトから注文したのが先日届きました。
例によって以下の順番で書いていきます。毎回恒例ですが、全長全高横幅重量などの詳細な諸元は、実使用しないとあまり参考にならないので割愛します。公式サイトなどで確認してください。


1.形状、表面処理等
2.左右クリック、サイドボタン、ホイール
3.センサー特性、性能
4.総評


届いた当日にテスト使用配信を行ったのですが、予想に反してIE3.0(以下IE)だけでなく、DeathAdder(以下DA)との比較に関しての質問も多かった為、DAおよびIEとの比較を中心に、適宜他マウスと比較して書いていきます。


1.形状
○一見して分かる通り、IEやDAと同様の左右非対称マウスです。長さも全高もIEと殆ど同じです。3者で一番背が高いのはDAです。一番高くなる位置から後ろに向かってなだらかに低くなっていく際の角度は一番Rivalが急な為、持った際の手のひら中心付近に感じるボリューム感はRivalが大きいように感じます。
薬指および小指が当たる右前方部分は、ほんの少しオーバーハングしておりかなりIEに近いです。DAはこの中では唯一右前方部分が外に向かって少し広がっているので、少し薬指のさきっぽの収まりの悪さを感じました。

IE、DAに加えて、「俺たちのIE3.0」というキャッチコピーで登場したDRTCM37を思い出しましたが、恐らく日本人向けに少し小型化されたと思われる37に比べても、かなりIEに似てるな。と感じます。

IEと一番違うと感じるのはやはりケツ周りでしょうか。IEはケツ周りがなだらかに長く伸びているので、かなり掌底付近まで入り込んでピターっとフィットしている感触なのですが、RivalはIEに比してストンとケツ周りが落ち込んでいるので、掌に密着している面積は減少しています。その面では所謂IE信者から言わせるとフィット感減少→コレジャナイ!感につながるかもしれません。

○クリック部分と一体成型された上部のガワ表面は、最近のマウスでは大抵採用されているサラサラ系プラのツヤ消し加工です。まあ大体DAと同じようなもんです。手持ちのマウスの中で一番近い感触なのはEC2evoかな?しかしどれも大差無いといえばないです。

○今回恐らくSteelseriesが目玉として導入した箇所ですが、両サイドの指が当たる部分にゴムのイボイボ素材が貼り付けられています。写真だけで見ていたときは何コレ普通でいいんだけど…と思っていましたが、まあ実際手に持ってみると割りと悪くない。滑り止めとしての機能は確かにある。とは思ったものの、やっぱりXaiとかSenseiみたいな普通のサラサラ系プラでいいよね…という結論。まあ別段邪魔にはなったり不快な感じはしません。

○重量は大きさ相応に重いです。配信していても何度も聞かれたんですが、WMOやFKといった軽量級マウスとならすぐに判別できるのですが、DAとは持ってもどちらが重いかは正直判別できないです。IEと比較すればIEの方が若干スカスカして軽いなあということまでは分かりました。ハカリが無いので正確な重量は知りません。

○デフォソールですがかなりいいです。普段はどのマウスにもHyperGlideをつけるんですが、これは付けなくても大体似たようなフィーリングだったのでこのまま使えそうです。大体Steelのソールはクッソ硬かったり面取りがしてなくてゴリゴリ引っかかったりするので嫌いですが、これはデフォで合格点。

○忘れそうでしたが今回コードにはちょっと固めのビニールが採用されています。XaiやSenseiの布巻きコードが好きだったんですが、コストダウンでしょうか…残念。


2.左右クリック、サイドボタン
○Steelseriesのミドルクラス以上の製品(Sensei[Raw]以上の価格帯)の恒例ですが、クリック感はとても良好です。今回クリックにも目玉として専用開発されたという触れ込みのスイッチが奢られているそうですが、これが予想に反してかなりいい感じの出来ばえです。オムロンのスイッチと遜色無いので安心しました。

当初専用品が使われると聞いた時は何かわけのわからないスイッチでコストダウンするんでしょ。伝統のオムロンのD2F系でいいじゃんくらいに思ってましたが、これはこれでOK。押下した際の音はオムロンのスイッチに比べて高音成分が少なく、ぽちっという感じの控えめな音がします。

○左側のみに設けられている二つのサイドボタンですが、特に手前側のサイドボタンは過去のマウスに類を見ない大きさに作られており、非常に押しやすい造りです。ただ、若干ですが前方のサイドボタンが遠い印象。この前方のサイドボタンに関してはDAやIEの方が押しやすいです。

○ホイールはきちんとノッチが一つ一つ感じられるのですが、若干回す際の抵抗感がユルく、使い込んだ際にノッチが磨耗したらユルユルになってしまいそうだな…という不安に駆られます。この点DAは常に少し抵抗を感じる仕様なので、こちらの方が安心感はあるのかなという感じ。
ただし、1ノッチ分回せばきちんと1ノッチ分の反応を必ずしてくれるので、現時点では全く問題の無いホイールです。たまに「1ノッチ回した→無反応→2ノッチ目回した→反応」というマウスもあるので…


3.センサー特性、性能(※400dpi, 500Hzにて使用)
○センサーは過去zowie系マウスの大半(AM、FK、EC1,2evo)や、DRTCM37、Kana v2等に搭載された実績のあるADNS-3090の流れを汲むPMW3310DHという光学センサーが採用されているそうです。確かにフィーリングが似てます
非常に追従性は良好、変な遅延や加速も感じられず素直で高性能なセンサーです。特筆すべきは柄物代表として試したQck LE fnaticでもポインタ飛びやネガティブアクセルはおきませんでした。確か過去使ったADNS-3090系マウスの大半がQck fnaticでは不具合が起きたと記憶していますので、正常進化しているのかな?

○直線補正に関しては殆ど過去のADNS-3090系マウスと同程度のかなり弱めの補正です。若干強まったような気がしたのでいくつか使い比べたのですが、正直判断できかねます。多分ほぼ同じです。
実はこのレビューを最初に書いた時点では気づいていなかったのですが、Rivalは直線補正を調整できる機能がありました。SteelEngineを下の方にスクロールさせたところに隠れていたので気づきませんでした。ためしに使ってみたのですが、ONにした途端明らかに変な挙動をするようになります。特にMAXまで上げたら使い物にならないレベルです。デフォルトの最低の状態で使うことをおすすめします。

○LOD(リフトオフディスタンス)に関してはこれは少し高いと感じます。最近のミドルレンジ以上の価格帯のマウスの多くには、LOD調整機能が付いているのですがRivalには付いていません
一円玉をおいて試してみましたが、2枚ではバリバリ反応、3枚で反応しなくなりました。
例として他マウスを挙げると、僕が好みの設定に詰めたDRTCM37は2枚、ZOWIE FKは1枚、IE3.0は2枚でそれぞれ反応しなくなりました。DAは既に絶版となっている初代のものしか手持ちに無かったので試していません。


○総評
初代Kinzuの強補正微加速、KanaやKinzu v2pro等のような高速域でのポインタ飛びや花びら大回転、Xaiのようなセンサ開口部の狭さによる(恐らく)ホコリへの弱さ、しかも調整機構の殆どが最新FWだと稼動しない。初代Sensei[Raw]のまるで棒かと思うほど太くて硬いコード…etc。等、挙げたらキリが無いくらいSteelseriesは毎回不具合やオイオイという点をどこかに盛り込んでいますが、今のところRivalは特段の不具合を見つけられません。

※11月20日追記:なんと設定項目の中に直線補正の調整機能が隠れていました。ONにしたらおかしな挙動をするので、やはり今回もSteelseriesのマウスは不具合を抱えてのリリースでした。残念。

相当強力で素直な、いい意味で枯れた系列の光学センサー、IEやDAライクな受け入れられやすい形状、良好なクリック感など、カジュアルゲーマーからガチゲーマーまでかなりシェアの高いと思われるDeathAdderの牙城を崩すため、真面目に開発に取り組んだんでしょうか。素直にコレは中々いいマウスだなあという感じです。

ただし、現状(2013年11月19日現在)では海外からのユーロ建てでの輸入しか出来ない為、本体€60+送料€37=日本円にして13,000円程度掛かります。
国内での販売は12月以降とのことですが、最近の円安傾向を勘案すると、下手すれば8,000円~9,000円での発売の可能性まで考えられるので、これだとちょっと高いかな…という感じがします。6,000円~7,000円台で発売されれば、まあ納得かなという印象。

乱暴にまとめれば、値段を度外視すればとても優秀なマウスの部類です。しばらく使ってみて気づいたことがあれば、また追記していきます。

久しぶりのSteelseriesの新形状マウスでしたので、勢い文量が若干多くなりました。ではまた。

10 件のコメント:

execut1ve さんのコメント...

レビュー乙です。Qck+fnaticでもポインタ飛びしないというのはなかなかいいですね。

公式には本体重量128gというケーブル重量入ってるのか入ってないのかわからない重量が記載されているのですが、
実測できるならケーブル抜き重量を測っていただきたいです。

また、使っていて「ちょっと重いなぁ」と感じることはありますか?

匿名 さんのコメント...

500Hz出るということは1000hz固定では無いんですね。
125hzも出るということでしょうか?

futabatei さんのコメント...

>>えぐぜくん
ハカリがないから測るのはむずかしい。けどDAと持った感じは区別が付かないくらいの重さ。
重いなあと感じることはあんまりないかな。Rivalと同時に手首aimから腕aimに変えたからかも…


>>匿名さん
125、250、500、1000でるよー

匿名 さんのコメント...

rivalのレヴューどこにもなかったからありがたいです!
値段次第で購入検討しようとおもいます!!

匿名 さんのコメント...

kone pureのレビュー記事のようにクリックの反応速度をsensei、ikari、kone pure辺りと比較していただきたいのですがお願いできないでしょうか? それとrivalはフラッシュメモリは内蔵しておりますでしょうか?HP等だと非公開なのでどちらなのかなと

匿名 さんのコメント...

RivalとKone pureで迷っていて
2つを使った際の簡単な感想をいただけないでしょうか?
むちゃくちゃなお願いだとわかってはいるのですがもしお時間がありましたらご検討ください

cs1 さんのコメント...

>IEの方が若干スカスカして軽いなあということまでは分かりました。

え???

IEの方が約20g重いです

マウスで20gの違いが分からないなんて、相当な初心者プレイヤーくらいだと思いますが・・

なんか残念です

匿名 さんのコメント...

cs3さん
おそらくそれは本体の重さのみで比較しているからだと思いますよ。

IE3.0 ケーブル込み 約 158 g 本体のみ 約102g(wikiより)
Rival  128g(公式より)ですが、ざっとググっても本体は100g程度であるようなので、
    これはケーブル込みの重さであると思います。

ケーブルは長さがそれぞれ違うでしょうから全体での重量が逆転してしまう事もあるでしょう。

匿名 さんのコメント...

持ちやすいが調整ソフトがダメダメですな

匿名 さんのコメント...

IE3クローンは何故どれもこれも形をコピーしないのか・・・